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乳酸の本当の役目 |

乳酸は、運動すると一時的に上がり、いくらかの時間が経つと自ずと下がっていく物質です。
以前は、これが疲労の原因物質名のではないかと言われていましたが、現在の新理論では乳酸はむしろ疲労を和らげてくれる物質で、エネルギーが足りないところを補ってくれる物質という考えを持っています。
血中の乳酸は、運動するにしたがい時間を追うごとに増加しそうなものなのですが、二時間のあいだ運動を続けると運動前と同じくらいに乳酸値が低下していました。運動開始30分までは乳酸が増加しますが、30分を過ぎると乳酸値は減少し始めます。
体を動かすために必要なエネルギーの大元は食事からとる炭水化物です。炭水化物は分解されて糖に変わり、更にアセチルCoAといわれるエネルギーを生み出す重要な物質に変化します。このアセチルCoAはエネルギーを作り出す上でとても重要な役割を果たします。運動などに使われるエネルギーは、クエン酸サイクルといわれるサイクルによって作り出されています。
大まかに説明すると、クエン酸がいくつかの段階を経て、オキザロ酢酸に変化し、ここにアセチルCoAが来るとオキザロ酢酸と結合し、新たにクエン酸が作り出されます。そして、サイクルが繰り返されエネルギーを作るのです。このサイクルをクエン酸サイクルまたは、TCA回路、クレブス回路ともいいます。
エネルギーを作り出すには、クエン酸サイクルが正常に動かなければならないのですが、アセチルCoAが必要不可欠であり、運動を続けるとアセチルCoAの需要が高まり、続けているうちに不足してしまいます。アセチルCoAは運動することによって糖が変化して得ることができますが、糖がアセチルCoAに変化するとは別に、糖は乳酸に変化します。
運動を続けることによってアセチルCoAの供給が止まってしまうと、アセチルCoAに変わって乳酸がアセチルCoAの役目を果たします。乳酸はアセチルCoAに変化し、オキザロ酢酸と結合してクエン酸となってエネルギーを作り出すクエン酸サイクルを維持します。
運動することによって乳酸が溜まり初めてしまうのは、アセチルCoA不足を補うための準備なのです。
乳酸は、体を動かすために必要なクエン酸サイクルを維持するために必要な成分なのです。
また、運動30分後に乳酸が減り始めるのは、乳酸がアセチルCoAに変わってクエン酸サイクルに入り始めたためです。
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乳酸を利用したトレーニング方法 |

持久力を必要とする競技のトレーニングでは、LT(Lactate Threshold)と言われる需要と供給のバランスが崩れ、血中乳酸が上昇する時点をLTもとい乳酸性作業閾値付近の運動強度を維持できる強度を得ることが大切です。そうすることによって、競技者などが守るべき自分のペースを知ることができます。
運動中の乳酸の代謝は生産される一方、除去も同時に行われており、LT付近の運動強度を維持できることは最大の強度なのですが、その地点を越えると運動の継続が不可能になることはありえません。
持久的競技のトレーニングでは最大下の運動強度を維持して行うためにLT付近の運動強度を維持できるような強度を与えていくことが大切になります。そうすることによって競技者が守るべきペースを知ることができます。運動中の乳酸の代謝は産生される一方で除去も行われ、LT付近の運動強度を継続できることは最大の強度ですが、その地点を越えると運動の継続が不可能になることはありません。
激しい動きをしすぎてしまい、あと少しで動けなくなるような状態で、試合やレースなどを終了し、また次の試合やレースが控えている場合は、蓄積された乳酸をできるだけ早いうちに除去する必要があります。そんなとき、動かずに安静にしていると乳酸の除去に多くの時間がかかってしまいますが、逆に軽い運動といえる、クールダウンを行うのが良い方法です。
クールダウンを行うことによって、体に溜まった乳酸を積極的に除去してくれる働きがあるのです。しかし、乳酸を除去するためのクールダウンの強度と時間が問題になります。強すぎる運動は、更に乳酸を産生することになり、蓄積された乳酸を酸化できず回復に時間がかかります。あまり弱すぎると安静時と同じであり、筋に回る血流が少なくまた筋の活動が少ないために除去に時間がかかります。 |